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這い這いを全くしないか、ほとんどしないで、そのかわり、お座りの姿勢で下肢でこぐようにして前進する赤ちゃんがいます。このような赤ちゃんの多くは、首のすわりは遅れず、お座りができるのもあまりおそくならずに6~7ヵ月頃にできます。しかし、うつ伏せをとても嫌い、寝返りをほとんどしません。そして這い這いもしません。お座りで足とお尻でこぐように脚を動かして前進します。(これを、bottom shuffling ボトムシャフリングと言います。)
お座りの姿勢から、脇の下を抱えて体を持ちあげてやると、両方の脚は、お座りの姿勢のまま腰で曲げた状態で空中に上がってきますが、月齢が大きくなるに連れて、持ち上げられた脚は下に降りてきて体重を支えるようになります。這い這いしないままで、つかまり立ちをするようになり、歩き始めます。歩き始めは普通よりおそくなり、1歳半を過ぎ、2歳になってやっと歩けることもあります。言葉の発達も初めはおそめのことがありますが、歩き始めや言葉の出始めはおそくても、その後には、発達の障害は残りません。

このようなグループの赤ちゃんは、シャッフリングベビーと呼ばれます。このような赤ちゃんは稀ではなく、良く聞いてみると、お母さんかお父さんが、赤ちゃんの時に同じようだったということが多いのです。這い這いしない、歩くのや言葉がおくれる、しかし言葉かけへの反応は良く、手の動きの発達は標準的である、筋肉の弱さはない、というのが特徴です。

這い這いせずにシャッフリングをする赤ちゃんのほとんどは、このように、特に心配のいらないシャッフリングベビーであるのですが、稀に、筋肉の病気や、全体的な発達の障害を持っていることがあります。筋肉が柔らかい、言葉かけへの反応や理解がおそめである、手指の動きの発達がおそめであるというような場合は、検討してもらう必要があります。