ユウchanロゴ 絵本とおもちゃで子育て、孫育て
サイトマップ
トップ , はじめての方へ , ユウchan 活用法 , おもちゃ , 絵本 , 辞典 , 本の検索 , リンク集 , ヘルプ

インタビュー ▲ 絵本のトップへ
ガンと闘いながら「命の授業」を続けた大瀬校長先生(茅ヶ崎市・浜之郷小学校)をモデルに、
「くまのこうちょうせんせい」という素敵な絵本を生み出したこんのひとみさんに、お話を伺いました。
私の歌のはじまりは、息子のための子守歌から

私には、二人の息子がいるんですが、長男は小さい頃とても体が弱く、病院で脳波をとらなければならないことが、何度もありました。脳波って、眠った状態でとらなければならないんですね。だっこして子守歌を歌うんだけど、子どもが眠りにつくまでには、一日かかるんです。知っている歌を歌い尽くしても、子どもはまだ寝ない。それで、子どもの名前をいれて歌う、『でたらめ子守歌』を作りはじめたのです。

子守歌って、単純に子どもを寝かせるためだけのものでなく、親自身がイラついたり焦ったりしたときに、親自身の気持ちをなだめる力もあるんですね。「起きて泣く子の面憎さ」って昔のママも子守歌の中で歌っている。でもね、腹の底から憎いわけじゃない。憎らしいという気持ちは、歌に逃がして、もう一回抱きしめるということを繰り返していたのではないでしょうか。きっと。

うちでも子どもとやり取りをしながら、歌を歌っていたんです。そしたら、夫がそれをテープに録音していて。働くお母さんの集まりの理事をしている友人にそんな話をしたら「一曲でいいからママたちの前で歌を披露してよ」って頼まれて、一度コンサートのようなものをしたんです。そうしたら、会場で歌を聴いたママたち、泣きはじめちゃったんです。きっと皆さん疲れていたんでしょうね。
 

こんのひとみ さん

シンガーソングライター、エッセイスト。二児の母。「ムーニーマン」「まるこめ味噌」「ミスタードーナッツ」などのCMソング、ナレーションを手がける。2001年、「パパとあなたの影ぼうし」(こんのひとみ/作詞作曲 太田裕美/歌)がNHKみんなのうたで放送され、注目を集める。著作に、絵本「パパとあなたの影ぼうし」(金の星社)「ちいさな声」(ポプラ社)など多数。学校や福祉施設などへの出前ライブにも積極的に取り組んでいる。

 >>こんのひとみさん公式HPへ



その様子を見ていたうちの夫は、「はじめて聴いた曲で、会場の人が泣いてしまうなんて、すごい! 続けるべきだよ。」と、私の肩を押してくれたんです。彼は、音楽関連の仕事をずっとしてきているので、その言葉がとても力になりました。それからですね、出前ライブをするようになったのは。

歌での出会いが、絵本に
〜くまのこうちょうせんせい・大瀬先生との出会い〜


大瀬先生と初めてお会いしたのは2年前。大瀬先生の小学校に、出前ライブに呼んでいただいたんです。その時、先生はすでにガンという病気と向かい合っていました。

「子どもは、どんな悲しみや苦しみがあっても、元気と明るさで乗り越えていかれる」と大瀬先生は思っていらしたそうです。でも、病気になって、自分が大きな声が出せなくなってしまった時、お医者さんや看護師さんは、大きな声を出してとは言わず、じっと耳を澄ましてくれたんですと、大瀬先生はおっしゃってました。

その時、大瀬先生は「小さな声しか出せないこともある、だから、子どもたちの小さな声に耳を傾けてあげたい」と思われたんでしょうね。

今の社会の中では、子どもたちはみんないろいろな事情を背負っています。家庭の中でも気を遣ったり、寂しさを感じたり。その上、学校で「はい、みんな声揃えて!」「はい、元気出して!」なんて言ったら、子どもたちがつぶれてしまいますよね。私も先生の考えや思いにたくさん共鳴する部分がありました。先生も「同じことを思っていたんだね」って言ってくださって。

昨年春に、2度目の出前ライブに呼んでいただいたときには、先生はもう余命数ヵ月という告知を受けていました。お顔も小さくなられていて。それでも、先生はご自分の足で学校に通い続けていらっしゃいました。

先生に何とか元気になっていただきたいと思って、校長室で先生のためだけのライブや、先生の書いてくださったメッセージを元に歌を作って、子どもたちに歌唱指導もさせていただきました。先生と出会い、先生の過ごされた時間から、私はどれだけ多くのことを教えていただいたかわかりません。


大瀬先生の思いをもっと多くの子どもたちへ


大瀬先生は、子どもたちに命の尊さを伝えようと「命の授業」をされていました。その授業の中で、「100万回生きたねこ」や「わすれられないおくりもの」などの絵本を使っていたそうです。「絵本は子どもたちといろいろな心を共有する『心の掛け橋』になるものだ」と、先生はおっしゃってました。

だからこそ、私も、先生の気持ちを絵本にして、伝えようと思ったんです。全国には、「つらい」「さびしい」と思っている子どもたちが大勢います。でも、直接大瀬先生に会うことはできないし、先生の命の授業は受けられません。そういう子どもたちにも、先生の思いを伝えたかったんです。絵本なら、まだ文字の読めない小さな子も読むことができるでしょ。

絵本を通して、こういう気持ちってあるよ。どこかに受け止めてくれる人はいるよって、何とか伝えられたらなって思います。

先生、怖かったと思いますよ。ほんとはね。あと数ヵ月という告知を受けてどんなにつらかったか。それでも「僕は、24時間、先生でいます」とおっしゃってました。ご自身がもうフラフラのお体の状態なのに、子どもたちのことになるとすくっと立ち上がってね。誰もいない時に、こっそり校長室で横になっていたという話もうかがっています。どんなときでも、子どもたちのことを考えていた素敵な先生でした。

弱い心を、受け止めることって、とっても大切

私はライブの途中、その場でメッセージを書いてもらって、即興で歌にします。音楽って不思議ですね。言葉の裏側に隠れていたウィットや切なさが、メロディにのせることで見えてくることもあるんです。

少年院で出前ライブをした時に、みんなが書いていた言葉は「自分なんて必要とされていない」っていうこと。でも、ある少年は、『君は本当は頑張りやさんなんだよね』って、保育園の先生が言ってくれたことがあって、「あれだけは俺、一生忘れねえ」って書いてくれました。

ただ、「頑張れ、頑張れ!」って、お尻を叩くんじゃなくてね。「頑張れないときもあるよね。頑張れない、そんなお前も全部含めて好きだよ。」って、一旦そのままの自分を受け止めてもらえれば、その後にもしかしたら本当に頑張れるのかなって、思います。



心の中で「物語」がずっと生き続けている

大瀬先生には絵本のできあがりを、お見せすることができなかったの。あらすじを書いてお渡ししたら「なんで、こんなに僕のことがわかるの?」って、すごく楽しみにしてくださっていたんですけどね。でも、きっと見ていてくださってるかな。

実は、先生が亡くなった同じ日に、奇しくも、私の母を亡くしたんです。その日の朝まで元気だったのに、本当に突然でした。
昨年一年間で約270ヵ所出前ライブを回りましたが、それも母がいたから頑張れたんだなって、母を亡くしてからすごく実感しています。あれから半年以上経つんですけど、まだ心の整理がつきません。ますます寂しいんですよ。親孝行できなかったっていう後悔の気持ちばかり。生きるってどういうことなんだろうって何度も考えました。

周りの人から母に支えられたという話を後からたくさん伺って、母はちゃんと自分の物語を生きたんだなあって思ったんです。母が亡くなってから、知ったこと、分かったことがいっぱいあります。命を輝かせて、精一杯生きたら、それで終わりじゃない。残されたものの心の中に永遠に生き続けるんです。大瀬先生にも、母にも、何だか亡くなってから、もう一度出会っているような気がします。
 


●こんのひとみさん ライブスケジュール   

 3/19 東京・渋谷区
こんのひとみライブ MOTHER・・・終了しました
みなさんと『おかあさん』をわかち合うライブ。
お食事つきのゆったりとしたライブです。

以前当サイトでインタビューを掲載させていただいたこんのひとみさんのライブです。シンガーソングライターでありエッセイストのこんのひとみさんは、二児の母親でもあります。

心温まる歌を聴いて、素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
日 時 2005年3月19日(土)OPEM12:30 START14:00
こんのひとみ
演 奏 吉川正夫(ピアノ)/渡辺剛(ヴァイオリン)




●こんのひとみさん の絵本   
くまのこうちょうせんせい
金の星社 1,260円(税込)

浜之郷小学校の大瀬敏昭校長先生をモデルに作られた絵本。
大きな声で挨拶をする校長先生。どうしても大きな声を出すことができないひつじくんは、大好きな校長先生のために大きな声を出す練習をします。でも、校長先生は病気になって、小さな声しか出せなくなってしまいました。でも、それで分かったことがあったのです。
※本の画像は、全て出版社に許可を得て掲載をしているものであり、転載を固くお断りします。


取材を終えて
こんのさんは、優しさがにじみ出てくるような、本当に素敵な方。「私の今の目標は駄菓子屋のおばちゃん。決してべたべた優しくすることはないけど、何でも言えたり、「出入り自由」のような、そんな存在になれたらいいなあって思います。」とおっしゃってました。そういう温かい存在って、とっても大事ですよね。子どもたちにはもちろん、思い通りにならない子育てに悩んでいるママにも、ほんの小さな言葉が救いになるんじゃないかなとお話を伺っていて感じました。こんのさん、心に響くお話をありがとうございました。これからも、たくさんの人たちに温かい歌を届けてくださいね。



About us , ご利用規約 , プライバシーポリシー , 免責 , 著作権 , 動作環境 , お問い合せ
Copyright (C) 2004 Jiscsoft Co.,Ltd & SUN-ART Co.,Ltd All Rights Reserved.